
| 1 | ★ギター・ソナタ第2番イ短調 Op.4 | ||||
| 若い頃に作った曲を専門家にアドバイスをもらいながら、2017年に完成した曲です。 典型的なソナタの構成で、ソナタ形式のテンポの速い第1楽章、メヌエットの第2楽章、ロンド形式の第3楽章から成ります。
高校生の頃の下書きを基にしたギター・ソナタ第1番は、第16回TIAA全日本作曲家コンクールで入選しました。 |
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| 楽譜 | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 2 | 哀愁のしずく Op.10 | ||||
| トレモロはギター独特の演奏法です。それまでにも楽曲の一部分として取り入れられたものはありましたが、タレガ作曲の「アルハンブラの想い出」は全曲をトレモロで奏する初めての楽曲と言われています。その後、バリオス、デ・ラ・マーサ等が多くの名曲を残しています。 ビースコアという楽譜点訳ソフトを手に入れ、作曲家コンクール入選を機に作曲を始めた頃「戯れのトレモロ」としてこの曲の基を構想しました。作曲の学習を経て全曲を見直し改題しました。 楽曲は26小節の序奏とトレモロで奏される4つの部分で構成されます。 2小節の導入部を経て第29小節から第1部がホ短調で始まります。4小節から成る主題の冒頭の跳躍は演奏上少し難しいところですが、この曲の特徴ともいえるところです。第47小節からは第2部で、第1部の主題を平行調に移調しています。第65小節からは第3部でホ短調の主題に戻り、第81小節から第4部でホ長調の全く異なる主題を展開します。第97小節からの短いコーダをもって終わります。 第28回TIAA全日本作曲家コンクール入選曲です。 |
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| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 3 | ★「赤とんぼ」による変奏曲 Op.27 | ||||
| 誰もが知っていて、きっと口ずさんだことのある歌曲を主題としました。変奏はさほどこったものではありませんが、伴奏の和声進行を工夫しました。不協和音を含む和音の動きをしっかりと演奏してください。そのためにはかなり速度を落とすことも良いと思います。最後の変奏は音の動きが細かくなります。それまで押さえていた気持ちを発散するように曲の終わりに向かって演奏してください。 | |||||
| 楽譜 | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 4 | 「花」による変奏曲 Op.19 | ||||
| 教科書にも載る歌曲で変奏曲を作曲しました。二重唱を意識した主題と七つの変奏及びコーダの構成です。第1変奏は「夢」という愛称のソルの練習曲をヒントにしています。第2変奏は上声部を下声部の和音が追いかけ、第3変奏はスタッカートの和音と装飾音的進行の細かな音符の掛け合いです。第4変奏は雰囲気を変えて8分の6拍子の同名短調、第5変奏はゆったりと充分に歌わせてください。第6変奏は軽快な3連符です。第7変奏は同音連打を基調とし、そのままコーダに続いて全曲を終えます。メリハリを付けた華やかな演奏を望みます。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 5 | 自作主題による変奏曲 Op.37 現代ギター№684 2020年9月号掲載楽譜 | ||||
| 演奏データ(youtube) | |||||
| 6 | ★三つのワルツ Op.13 | ||||
| ショパンのワルツへのあこがれから、ギターになじみやすい3種類の短調で作曲しました。 №1 イ短調 第1小節から第16小節はワルツⅠです。不協和音から始まる旋律が特徴です。第17小節から第32小節はワルツⅡで、平行調のハ長調の属和音から入り、繰り返しながら主調の属和音に戻ります。第33小節から第48小節はワルツⅠですが、旋律が変奏されています。第49小節から第76小節はワルツⅢで、平行調のハ長調に転調します。シンコペーションが特徴です。第77小節から第92小節はワルツⅠで、同じく旋律が変奏されます。第93小節から第102小節はコーダです。 №2 ホ短調 これは弦楽四重奏をイメージしながらまとめた曲です。第1小節から第32小節はワルツⅠです。咳き込むような弱起の主題で展開します。33小節から第48小節はワルツⅡで、並行調の属和音から始まるのは№1と同じです。第49小節から第64小節はワルツⅠの繰り返しです。第65小節から第112小節はワルツⅢです。平行調のト長調で始まりますが、アルペジオを伴奏とした旋律が展開し、主調に戻ります。第113小節から第143小節はワルツⅠに戻り、曲が終わります。 №3 ニ短調 第1小節から第16小節はワルツⅠです。細かな音の連なりが特徴です。第17小節から第32小節は平行調のワルツⅡ、第33小節から第48小節はワルツⅠです。第49小節から第64小節はワルツⅢで、同名長調です。和音とアルペジオの組み合わせで進行します。第73小節から第96小節はワルツⅠに戻り、短いコーダで終わります。 |
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| 楽譜 | №1演奏データ(「Piascore」のサイト) №2演奏データ(「Piascore」のサイト) №3演奏データ(「Piascore」のサイト) |
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| 7 |
★きよしこの夜ファンタジー Op.28 | ||||
| クリスマスの時期には欠かせない曲で、誰もが口ずさんだことがあるのではないでしょうか。ギター伴奏付きの賛美歌として書かれたそうです。作曲学習の課題として取り組みました。そのため、オーソドックスな和声付けでないところもあります。ゆっくりと和音の響きを確かめるように弾いていただけるとうれしいです。 | |||||
| 楽譜 | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 8 |
小ロマンス Op.11 | ||||
| ギター曲で変ロ長調を見受けることは少ないように思います。浮かんだモティーフの音の感覚を尊重してこの調にしました。そのために演奏の難しいところがあります。第1小節目の主題と伴奏の分散和音ではルートセーハをします。全体は3部形式の形を取っています。第1部は主調の主題に経過句が続きます。第2部は平行短調です。第3部で主題に戻りコーダで終わります。ゆったりと旋律を歌って演奏してください。強弱の変化や音色の変化も工夫していただくとより良い演奏になると思います。なお、この曲は後に書いたフルートとギターのデュオ・ソナタOp.32の第2楽章の基になっています。 | |||||
| 楽譜サンブル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
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「うつろな心」による変奏曲 Op.21 | ||||
| この主題で多くの作曲家が変奏曲を作曲しています。以前ピアノの学習でベートーベンの「6つの変奏曲」をたどたどしく弾いたことを思い出します。ギター曲としては、ソルやジュリアーニがそれぞれ名曲を残しています。同じ主題を基に、ジュリアン&ジョンのレコードで聴いたソルの「アンクラージュマン」をヒントに二重奏曲にしました。難易度はそれほど高くはないと思いますので、それぞれの変奏の前、後半でパートを入れ替えてもおもしろいかもしれません。序奏と主題では第1ギターが旋律を受け持ちますが、第1変奏から第3変奏では交互に装飾的な旋律を受け持ちます。第4変奏は同名短調で、旋律はオクターブハーモニクスとなっています。第5変奏はスタッカートで歯切れ良く演奏してください。第6変奏では、第1ギターは旋律に加えて低音を割り当てられ、第2ギターは終始分散和音で伴奏します。コーダで変ホ長調を経過して主調に戻り集結します。教師と生徒、あるいは、友人同士でも楽しめる曲だと思います。 | |||||
| 楽譜サンブル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 10 |
「黒い瞳の」による変奏曲 Op.15 | ||||
| 中学校の音楽の先生は、いろいろな曲の楽譜を配ってくださいました。その中に、「黒い瞳の若者が…」と歌詞が添えられた曲がありました。その後購入した「百万人のロシア民謡」というレコードに収録されていました。主題は8小節ですが、第3小節目で平行調になりすぐに元の調に戻ります。それを主題として作曲したのがこの変奏曲です。第1変奏では主題が中声部に移ります。第2変奏は三連符の分散和音、第3変奏は和音と同音の連打です。第4変奏は変形した旋律とアルペジオ、第5変奏はタンボーラにしました。第6変奏はハーモニクスで旋律を歌います。第7変奏と第8変奏は細かな音符の動きになります。第9変奏は対位法的な動きです。第10変奏は上昇と下降の繰り返しながらコーダに入ります。 | |||||
| 楽譜サンブル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 11 | 眠りのトレモロ Op.29-10 現代ギター№690 2021年3月号掲載楽譜 | ||||
| 演奏データ(youtube) | |||||
| 12 |
★イ短調のロンド Op.18 | ||||
| この曲は典型的なロンド形式で、A-B-A-C-A-B’-Aと、ロンド主部を4回繰り返します。そのロンド主部のモティーフは高校時代に浮かんだもので、これまでに様々な曲の素材としています。ロンド主部は24小節から成りますが、繰り返される度に少しずつ変化しています。第1エピソードは経過句を介して第34小節からハ長調で現れ、第55小節で転調し第62小節で主部に戻ります。第86小節から経過句無しにイ長調の第2エピソードが現れます。第120小節からイ短調に戻り第126小節からロンド主部となります。第153小節からは第3エピソードですがこれは第1エピソードをイ短調に移調したものです。第169小節でロンド主部に戻り、第184小節からはコーダに入り曲を終えます。ロンド主部とエピソードの対比をはっきりと演奏していただけるとうれしいです。 | |||||
| 楽譜 | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 13 |
★シャコンヌ Op.30 | ||||
| ご存じのようにシャコンヌはバロック時代の変奏形式です。バッハの無伴奏バイオリン組曲第2番の終曲が有名です。ここでは自作の8小節のバス主題の上に繰り返される和声進行の中で12の変奏が展開されます。繰り返しの最後の小節に次の変奏を暗示するモティーフが埋め込まれています。速度は4分音符=60程度でゆったりと始めてください。 | |||||
| 楽譜 | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 14 | タレガの主題による変奏曲 Op.42 現代ギター№697 2021年10月号掲載楽譜 | ||||
| 演奏データ(youtube) | |||||
| 15 |
変奏曲ホ短調 Op.38 | ||||
| Op.38からOp.40の三つの短調による変奏曲は、いずれも10代の頃に浮かんだモティーフを基にしています。この曲のホ短調の主題は「魔笛の主題による変奏曲」に触発されたものです3曲の中では唯一8小節を繰り返す2分形式で主題ができています。第1変奏は三連符のかけ合いです。対比をくっきりと演奏してください。第2変奏は低音の旋律と高音の和声による伴奏です。低音をたっぷりと響かせてください。第3変奏は同名長調で装飾音を配しています。ゆったり歌ってください。第4変奏は短調に戻り、後うちとなる主題を分散和音で支えます。高音を浮かび上がらせてください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 16 |
変奏曲イ短調 Op.39 | ||||
| この曲の主題はピアノで習ったメンデルスゾーンの「幻想曲第1番」の冒頭の2小節を元としたものです。そのモティーフが半世紀も耳に残っていたので、2分形式16小節の主題にしてみました。第1変奏は三連符の連続ですが走らないように注意してください。第2変奏は16分音符のかけ合いをくっきりとさせてください。第3変奏は同名長調で中西部の和音の揺れを活かしてください。第4変奏は短調に戻りますが、速い分散和音をはっきり出してください。全体にあまり速くならないように演奏してみてください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 17 |
変奏曲ニ短調 Op.40 | ||||
| 中学生のときに浮かんだ8小節の旋律を、音楽担当の先生を通して専門家に見ていただきました。記譜法についてのご指導をいただき、それを少し変えて2部形式16小節の主題としています。第1変奏では高音の旋律に低音の和音をうまく絡めてください。第2変奏は対位法的な旋律の動きを際立たせてください。第3変奏は和声進行を歯切れ良く演奏してください。第4変奏は装飾音的な高音とそれに絡まる分散和音ですが速くならぬように注意してください。第5変奏は同名長調ですが、コーダまで軽やかに奏してください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 18 |
朝のソナチナ Op.29-1 | ||||
| 孫の誕生を機に浮かんだフレーズを基に15曲から成る小曲『小さな命』を書きました。「朝のソナチナ」はその第1曲です。曲名の通りソナタ形式に則っています。第1主題は冒頭から4小節ですが、作曲の先生からアドバイスを受けるうちに変化の大きなフレーズとなりました。下声部は省略の無い分散和音で多少弾きにくくなってしまったかもしれません。属調で現れる第2主題は第17小節から始まります。下声部の伴奏の和音のシンコペーションが特徴です。第33小節からは平行短調に転調して展開部に入ります。第57小節からは再現部です。第2主題は主調で現れ、旋律が下声部に移ります。第73小節から変形された主題で結尾に入ります。ギターのオリジナル曲ですが、ピアノを意識して書いたので運指の難しい箇所もあります。力強くというより軽快に弾いていただければと思います。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 19 |
戯れのフゲッタ Op.29-2 | ||||
| 小曲集「小さな命」の第2曲です。3声のフーガとして書きました。フゲッタと題したとおり構成も単純ですし大曲でもありません。しかし、3声を対比させながら演奏するのは容易ではないかもしれません。冒頭上声部に主調で2小節の主題が提示され、第3小節から中声部で属調の応答が現れます。第7小節からは下声部に対位主調の主題が加わり3声で進行します。第13小節から経過的なパッセージで並行長調に転調し主題が現れます。第31小節からは主調に戻る経過句です。第39小節では下声部に主題が再現され、第47小節から第49小節まで保続音が続き、第52小節のカデンツァを経て終止します。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 20 |
笑顔のワルツ Op.29-3 | ||||
| 小曲集「小さな命」の第3曲です。孫の笑顔を私自身は見ることができませんが、心に浮かんだモティーフをまとめました。主部は3部形式です。主題は弱起の順次音階に続く4小節の同音の連続です。第17小節からはト短調に転調し8小節で主張に戻ります。第41小節からは2部形式のTrioでト長調です。第57小節からは重音の動きとなります。第25小節に帰って主題を繰り返しコーダに入ります。新機軸はありませんが素直な動きとなっています。伴奏の部分を軽やかに3拍子を感じさせるように弾いていただければと思います。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 21 |
ヘンデル風サラバンド Op.29-4 | ||||
| 小曲集「小さな命」の第4曲です。この曲集には大作曲家の名前を冠した曲が2つ含まれています。この曲はヘンデルの「サラバンド」にインスパイアされた作品です。モティーフも展開も原曲を模倣しています。主題はニ短調、4分の3拍子、32小節です。3声または4声の和声で進行し、構成は8小節を単位とした A-A'-B-A'' です。第1変奏は主題の和声進行の上に8分音符の上声部が乗ります。第2変奏では、上声部の和声進行に下声部が8分音符で動きます。演奏はそれほど難しくないと思います。ゆったりと弾いてください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 22 |
はつらつマーチ Op.29-5 | ||||
| 小曲集「小さな命」の第5曲です。バッハのインベンションに倣って調性を配置したので、変ホ長調というギターではあまり見かけない調性となりました。そのため演奏の難しいところができてしまいました。全体は複合3部形式で、主部は48小節からなり、26小節のトリオを挟んで繰り返されます。第1から第4小節は主題です。第17から第20小節に下属調の副主題が現れ、同様に2部形式で属調に戻ります。第33小節から変形された主題で前半部が繰り返されます。第48小節からは2小節の導入に続くトリオです。バグパイプ風の低音に旋律を載せてのどかに演奏してください。主部はメゾフォルテから始めて次第に強く、トリオは少し落として旋律をできるだけレガートに弾いてください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 23 |
バッハ風ガボット Op.29-6 | ||||
| 小曲集「小さな命」の第6曲です。「ヘンデル風サラバンド」とともに大作曲家の名を冠した曲です。この曲は名を冠したばかりではなく、実際にバッハの無伴奏チェロ組曲第6番のガボットⅠ&Ⅱをなぞっています。弱起で始まる第1から第24小節までがガボットⅠ、第25小節から第56小節までがガボットⅡで、ガボットⅠに戻って終わります。ガボットⅠは8小節を単位とした3部形式です。順次進行を基本とした主題が展開しながらA-B-A'の構成を取ります。ガボットⅡは複合2部形式です。前半ではバスの動きに対応した主旋律が歩行するかのように動きます。後半は和音となり舞踏のように軽やかに刻まれます。いずれも原曲の骨組みの上に構成されています。ゆったりと、まるい太目の音で演奏してください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 24 |
涙のロンド Op.29-7 | ||||
| 小曲集「小さな命」の第7曲です。幸せな人生をと祈りながらも、悲しみにも出会うことがあろうと浮かんだモティーフで構成しました。曲名の通りロンド形式に則っています。主部は3部形式で第1から第24小節までです。変化音を含む主題を展開しています。第25から第48小節までは第1エピソードです。平行長調で上声部の和音と下声部のシンコペーションの低音で構成されます。第49から第72小節は主部の再現です。第73から第96小節は第2エピソードで、並行調の上声部の旋律に下声部が和音で重なります。ダ・カーポで第1小節に戻り、第72小節までを繰り返します。第97小節からはコーダです。あまり重くならず、短調と長調を対比して演奏してください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 25 |
よりそうパストラーレ Op.29-8 | ||||
| 小曲集「小さな命」の第8曲です。すやすや眠る孫の様子を心の目で見ながら浮かんだ楽想です。第1から第32小節で繰り返される低音は強くなく丸い音で弾いてください。そのうえで上声部の旋律をゆったりと歌っていただければと思います。4小節単位の主題を繰り返しますが、第13小節からは重音となります。第21小節で単旋律に復帰して第32小節で主部を終えます。第33小節からは、角笛をイメージしたモティーフに続き下行する音型で進行します。第56小節以後主部に戻ります。第15小節の低音部に指替えの指定があります。付点2分音符を音価通り保つために6拍目の和音をセーハ3としました。困難な場合には2分音符と4部休符で演奏されてもけっこうです。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 26 |
情熱のファンタジー Op.29-9 | ||||
| 小曲集「小さな命」の第9曲です。ベートーベンの「熱情ソナタ」に触発されて書いた曲でヘ短調というギターでは珍しい調性となりました。第1から第8小節が主部です。和音の伴奏に乗った上声部のモティーフが主題を構成し、順次進行と跳躍進行を対比させながら進みます。第5小節からは上声部の和音を低音が支え、第9小節で初めの主題に戻り第12小節で終止します。第13から第20小節は中間部で変ニ長調に転調します。これもギターでは弾きにくい調性ですが、動きはゆったりとしています。和声の進行を響かせたいところです。第20小節の最後には増2度の音程が現れて主部につなぎます。主部を繰り返した後コーダに入り、分散和音の連続で終了します。強弱をはっきりと対比して演奏してください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 27 |
人形のメヌエット Op.29-11 | ||||
| 小曲集「小さな命」第11曲です。ト短調で書いた上に各声部の進行を重視したため、演奏困難な曲となってしまいました。調弦は5弦を「ソ」、6弦を「レ」のすこるだとぅーらです。第1から第32小節までが主部です。16小節単位の2部形式です。前半も後半も冒頭の2小節を繰り返しながら展開していきます。何か所か特徴的な和声進行をさせました。第33から第48小節はトリオです。並行調にてんちょうし、先行する上声部を他の声部が追走します。テンポを遅めに取り、できるだけ音を切らずに演奏してください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 28 |
芽生えのロマンス Op.29-12 | ||||
| 小曲集「小さな命」の第12曲です。この曲のモティーフが最初に浮かび、曲集を編むきっかけになりました。第1から第16小節はそのモティーフを2部形式で展開しています。第17から第32小節はモティーフを変形して同名短調で進行します。第33小節から第48小節は並行調のコラール風の楽節です。第49小節から第56小節では経過句的で主調の属調へ転調し、第57から第72小節では多少の変形を加えられた主題に戻ります。第73から第80小節では主題がハーモニクスでていじされ結尾へと進みます。ハーモニクス以外はそれほど難しくはないと思います。全体に'DOLCE' で十分に歌わせてください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 29 | 悲しみのバラッド Op.29-13 | ||||
| 小曲集「小さな命」第13曲です。主題は4小節からなり、上声部の旋律、中声部の和音、低音部のバスという構成です。第1から第16小節と第17から第33小節はほぼ同型の繰り返しです。対応する第7、第8小節と第23、第24小節では和声が異なり、第15、第16小節と第31、第32小節は旋律が変化しています。第33小節からは同名長調に転調します。それと同時に旋律が中声部に移行し、上声部が和音で伴奏します。第48小節から冒頭に戻り第32小節で終わります。全体に旋律をたっぷりとうたってください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 30 |
装飾音のポルカ Op.29-14 | ||||
| 小曲集「小さな命」の第14曲です。ギターを習い始めた頃ビックフォードの同名曲を練習した覚えがあります。この曲はそれにインスパイアされた曲です。全体はカデンツァを挟んだ32小節の楽章のくりかえしとなっています。第1から第8小節では主音から2度上がって下がる装飾音でこれは第17から第32小節で反復されます。第9から第16小節では主音の3度上から下降する装飾音で平行短調に転調します。第25から第36小節まではカデンツァです。第25、第26小節はすべての音を左手のみで演奏します。第28から第31小節では主題の音型が現れ、第32小節から少しずつテンポを速めて第36小節の属7和音でカデンツァを終えます。第37から第44小節は冒頭の部分の再現です。第45から第56小節も音型は同じですが、中声部に旋律が移っています。第57小節から旋律が上声部に復帰して終わります。全体に軽やかに装飾音を歯切れよく演奏していただければと思います。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 31 |
夜のシャコンヌ Op.29-15 |
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| 小曲集「小さな命」の第15曲です。ご承知のとおりシャコンヌはバスの定旋律上に書かれる変奏曲です。8小節の定旋律を9回繰り返しますが、第49小節からが最も動きの激しい変奏ですので、次第に強くして盛り上げてください。第56小節の半ばから一気に沈めて冒頭の強さまで下げ、第65小節で最後が変形されて曲を終了させます。変奏ごとに音色を変えるなど、ニュアンスを付けて演奏してください。蛇足ですが最終小節はピカルディの3度です。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 32 |
ランゲ作曲「花の歌」 |
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| 原曲はピアノの小品です。点字楽譜に訳しているとき思いついてギター用に編曲してみました。原曲の持つ雰囲気を損なわないように、限られたギターの音域に収まるように、活かす音や省く音を考えていくのは楽しい作業でした。いくつかの調への移調を試みて、イ長調に落ち着きました。強弱等の用語は原譜のままとしています。曲は弱起ですが、冒頭から8小節が主部で3回現れます。第9小節からは並行短調となって曲想が変わります。第18小節のカデンツァは、pで下がりiで上るように表記していますが、その他の奏法も考えられるかもしれません。第19小節から主部が再現し、第27小節からはニ長調に転調します。ハイポジションで弾きにくい箇所ですが、歯切れの良いスタッカートと連続する和音をうまく表現してください。第45小節から主部が現れ、第52小節からコーダです。アンコールの曲としてレパートリーに加えていただければと思います。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 33 |
『山の音楽家』による変奏曲 Op.26 |
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| 皆様おなじみの曲を変奏曲としました。以前に書いたものを作曲の指導を経てすっかり書き換えました。構成は主題に続いて11の変奏とコーダです。いずれも和声進行を基礎とした装飾的な旋律の変奏です。 特徴的な変奏として、第4変奏は8分の6拍子、第7変奏は4分の3拍子と拍子が変わります。第6変奏はオクターブハーモニクス、第9変奏は速度を落してLargoとしました。第10変奏は対位法を意識してカノン風にまとめました。最後のコーダでは主題を自然的ハーモニクスで奏した後、タンボーラの特殊奏法を加えてみました。 演奏の難しい箇所もありますが、楽しんで弾いて頂ければと願います。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 34 |
エステン作曲「人形の夢と目覚め」 |
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| 「お風呂が沸きました」でおなじみの曲です。ピアノ曲としては初級に当たりますが、ギター編曲では事情が異なります。上声部と下声部との隔たりと、連続する和音の伴奏を6弦で表現するのはなかなか困難です。 今回は中級者版に加え初級者版と二重奏版も編曲してみました。 ● Cradle Song 子守歌です。分散和音と重音の旋律で構成されます。初級者向けの編曲では旋律を単音としましたが、下声部も1拍目のみとしても良いと思います。 ● Dolly Sleeps 短3度の下属和音で「眠り」を表現しています。たっぷりと間を取って次の楽章に入ってください。 ● Dolly's Dream 音声ガイドに登録商標として登録された「夢」の部分です。 弱起で始まる4小節の主題が繰り返された後、同名短調の副主題が現れます。主題に戻ってコーダを経て終わります。 ● Dolly Awake 弱起で始まる経過的な和音の進行です。 ● Dolly Dances 4分の2拍子の軽快な部分です。冒頭から4小節の主題が繰り返されます。はねるように軽やかに弾きたいところです。原曲ではスタッカートが指定されていますがあえて省いています。 第32小節からはコーダに当たりますが、主題のモティーフが現れて終わります。 二重奏版では、楽章ごとにパートを交代して演奏しても良いでしょう。また、初級版では速度記号にとらわれずゆっくり弾いてください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
| 35 |
ベートーヴェン作曲「ピアノ・ソナタ第20番 Op.49-2」 現代ギター№723 2023年12月号掲載楽譜 | ||||
| 36 |
モーツァルト作曲「ピアノ・ソナタハ長調 K545」 |
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| ピアノ学習者が必ず通る1曲です。ピアノ曲としては構成も単純で短く、技巧的にも難易度はそれほど高くはありません。 しかし、ギターに編曲しようとすると話は違います。まず分散和音の伴奏の処理、オクターブに渡るスケール、右手左手の掛け合い、そして装飾音と。原曲のイメージを保ちながらいかに音を選ぶかが難しくそれだけに楽しい作業でした。 ●第1楽章 ソナタ形式です。第1主題は冒頭からの4小節で、主調で登場します。スケールによる経過句に続き、第14小節から属調で第2主題が現れます。 第29小節からは展開部で、提示部の最後のモティーフが短調で繰り返されます。上声・下声のスケールの掛け合いで進行します。通常は主調の第1主題を導くため、展開部の最後は属和音になりますが、この曲では異なっています。 再現部は第42小節からですが、第1主題は主調ではなく下属調で現れます。提示部と同様に経過しながら第59小節に第2主題が主調で現れて終了します。 ●第2楽章 複合三部形式で書かれています。一貫して分散和音に乗った旋律で進行します。 冒頭から4小節が主題です。第16小節からは属調で少し変化した旋律が現れ第9から16小節が繰り返されます。 第33小節から第48小節までは同名短調で転回します。第49小節から主調に戻り小さなコーダで終了します。 ●第3楽章 ロンド形式です。冒頭から第8小節が主部で、主題は軽やかな和音が上声・下声(原曲では右手左手)で奏されます。原曲ではスタッカートが付いていますが除いています。 第8から第20小節が第1エピソードで、属調で転回します。第20から第28小節は再び主部に戻ります。 第52小節までは同名短調の第2エピソードです。上声・下声の組み合わせが変化しています。 フェルマータで気分を変えて主部に戻り、短いコーダで終了します。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
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ブラームス作曲「ハンガリー舞曲第6番」 |
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| 人気のピアノ連弾曲です。ギター編曲譜が見当たらなかったので自身で試みることにしました。調子をニ長調とし、6弦を下げて音域を確保しました。多くの音の中から選び出す作業を楽しく進めました。速度や強弱を思うように変化させながら弾いていただければと思います。また、装飾音は省いて演奏してもかまいません。第1から第21小節が第1部です。第1小節のフェルマータはたっぷり取って、わずかずつ速めながら繰り返します。第22から第42小節が第2部です。第33小節以降に現れる3連符はあわてずに、第40小節の2拍目のタイの付いた4分音符を充分に保ってください。第43から第51小節は短調の部分ですが、急がずに特に第43小節、第47小節の二つの4分音符はしっかり踏みしめるように弾いていただければと思います。第52から第60小節は対照的に少し軽やかに弾いてください。第61小節から第122小節は第1部、第2部のくりかえしです。第123、第124小節の終止の和音は強くはっきりと弾いてください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
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エロイカ変奏曲とフーガ Op.71 |
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| 主題は交響曲第3番「英雄」の終楽章の旋律です。ベートーベンはこの主題を複数回使っていて、ピアノでは同名の「変奏曲とフーガ」が有名です。それにインスパイアされてギターで挑戦してみました。○変奏曲 第1~第12小節は序奏です。第13から第44小節が主題の提示です。構成は8小節単位の2部形式ですが、繰り返しの部分に上声部を加えたのでリピート記号は用いていません。第1変奏では主題を下声部に置き、和声進行を補う上声部を加えました。第2変奏では上声部に主題を移し、下声部で和音を奏します。第3変奏では中声部に主題を置いて上声部に装飾的旋律を配置し、第4変奏では下声部に主題を置き、中声部との和音の上に上声部を乗せました。第5変奏では下声部の主題に対して三連符の和音が配置されます。第6変奏は同名短調で、上声部の主題をハーモニクスで奏します。前半は自然的ハーモニクス、後半は技巧的ハーモニクスとなります。第7変奏では32分音符のスラーを意識し、第8変奏ではたっぷりと和音を歌ってください。第9変奏はアルペジオを滑らかに、第10変奏は上声部の旋律尾レガートに奏しながら下声部を重ねてください。第205小節からコーダです。第10変奏の繰り返しから次第に盛り上げ、堂々と終えてください。○フーガ 変奏曲の主題を基に3声のフーガを書きました。フーガの要素をすべて盛り込むことはできていませんし、ギターの制約もありましたが何とかまとめてみました。提示部では第1~第3小節に上声の主題です。第4小節から中声部で4度下の応答が現れます。第8小節から下声部に主題が主調で登場し、以降3声のエピソードとなります。第45小節からは第2提示部です。下声部で並行短調の主題が再現されます。第48小節は中声部の応答、第54小節は上声部の主題です。そのまま3声のエピソードに続きます。第90小節からコーダです。属音の保続音が登場しますが、ギターの特性上長い音符ではなく、細かな音符を繰り返させています。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
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きらきら星変奏曲 |
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| 有名な「きらきら星」を主題とした変奏曲です。元は18世紀のフランスのシャンソン「あのね、お母さん」ですが、「きらきら星」の方が通りが良いようです。モーツァルトの大きな変奏曲が有名です。作曲の指導を受けていた際に、10の変奏を持つ曲を作っています。今回は、もう少し気軽に手をつけていただきたいと、規模を小さくし技術的にも弾きやすい様にまとめてみました。小学校の福祉講座の中で初演しています。 主題はモーツァルトのそれに準じていますが、装飾音は省いています。第1から第8小節と第17から第24小節はまったく同じです。急がずに一つ一つの音を聴かせてください。上昇下降に合わせて少し強弱を付け、第13から第16小節の繰り返しは控えめに弾いてください。第1変奏は三連符の旋律を和音が支えます。第2変奏は16分音符の旋律に低音を合わせます。 第3変奏は同名短調になります。オクターブ・ハーモニクスとナチュラル・ハーモニクスで演奏します。第4変奏は対位法的手法です。スタッカートを歯切れ良く弾いてください。第5変奏はアルペジオです。ポジション移動に注意しながら滑らかに演奏してください。 そのままコーダに入ります。第151小節の上昇フレーズは慌てずに、続く休符を充分保って終えてください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
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4人のワルツ Op.73 |
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| GUITAR HOBBYIST CLUB という愛好家の集まりで、自作曲「眠りのトレモロ」を弾きました。その際重奏の曲は書かないのかとのお尋ねがありそれをきっかけにギター四重奏に挑戦することとしました。4曲の内第1から第3番は独奏曲として書いていたものです。第4番は初めから4重奏として書き上げました。 第1番 イ短調 主題は強拍の変化音から始まる4小節ですが、曲の進行につれて少しずつ変化します。 第1から第16小節が主部です。第1ギターの主題に対して第2ギターが助奏します。 第17から第32小節は経過で主旋律が第2ギターに移り、第3ギター、第4ギターが助奏し、第1ギターは和音でリズムを刻みます。ハ長調とイ短調を行き来しながら主部に繋ぎます。 第33小節から第49小節は主部の再現ですが、主題は第2ギターで引き継がれ、第3ギターがオブリガートを担当します。第41小節から第1ギターが主題、第2ギターがオブリガートとなります。 第49から第76小節はハ長調に転調し、シンコペーションで旋律が奏されます。第65小節からは主題を想起させる旋律で主部へ導きます。第77から第92小節は主部で、第1、第2ギターが絡み合い、第93小節からはコーダです。 第2番 ホ短調 独奏曲を書いたのと同時に弦楽四重奏版を作っていました。それを基に四重奏として最初に手がけた曲です。なお、第4ギターだけ⑥弦をDに調弦してください。冒頭から第64小節が主部で複合3部形式です。主題は弱起の3連符二つで始まる4小節です。第33から第48小節がエピソードで平行長調となり、第4ギターが導入のパッセージを担います。第41小節ではその役割が第3ギターに移行します。主調に戻って主題が繰り返されます。 第65から第144小節がトリオに当たり、同名長調に転調します。主題は第2ギターに移り、第1ギターはオブリガート、第3ギターはアルペジョを担当します。第97小節から第4ギターの上に残りのパートが和音を奏でます。エコーが響き合うように弾いてください。第113小節から主題に戻り、経過を経て主調に返ります。 主部に戻り第62小節からコーダへ跳びます。 第3番 ニ短調 第4ギターは⑥弦をDに調弦します。 第1から第48小節が複合3部形式の主部です。主題は独特のリズムを持ち第1ギターが奏し、第2ギターが助奏します。第17小節からは平行調長に転調して第4ギターに主旋律が移り、第2ギターがオブリガードを付けます。第25小節から主調に戻り、第33小節から主題が再現します。 第49小節からトリオでニ長調に転調します。第2ギターに主旋律が移り、第1ギターはハーモニクスで助奏します。第65小節から上声部が上行スケールを繰り返し、第4ギターは保続音で支えます。第73小節から主部に戻りますが前半1/3のみです。第1、第2ギターの絡み合いが少し変形されて復活します。第89小節からコーダに入って全曲を終えます。 第4番ロ短調 第1から第48小節が主部です。主題は弦3度を含む上行音型で始まる4小節です。第1ギターと第3ギターの掛け合いとなります。第16小節で並行長調の属和音に終止します。第17小節からは経過的にニ長調を示し、第1ギターに対して他のパートが下降旋律で修飾します。第25小節からも追いかけるように上行スケールが転回され、第30から第32小節はユニゾンとなります。ぴたりと合わせたいところです。 第33小節から主題が復り、主調で主部を終えます。 第49小節から第96小節は同名長調のトリオです。第64小節まではカノン風の構成となります。第65小節からはアルペジョに上声が乗った形で第80小節で終止します。第81小節からカノン風の楽節が復活してトリオを追えます。冒頭に戻り、主部を通してFINEで終わります。 |
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| 楽譜サンプル(1番~4番) | 第1番演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
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アムール河のさざ波 |
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| 中学生の頃に買った「百万人のロシア民謡」というレコードで初めて知った曲です。管弦楽と混声合唱の大変スケールの大きな、そして親しみやすいメロディーで好きになり、いつかギターでと思いながら今日まで来てしまいました。最初の4小節は導入ですが、好みのカデンツァを加えていただいても良いでしょう。第5から第37小節が第1部で、この曲の主部と言える部分です。哀愁に満ちた旋律を唱ってください。第38から第54小節は付点音符のリズムが水滴のはねる様子を描いているようです。第55から第71小節は、テノールの独唱をイメージして旋律を低音弦に移しました。弾きにくい箇所もありますが、たっぷりと唱ってください。第72から第105小節は力強く弾いてください。ラスギャードを歯切れ良く、全体にフォルテです。第103小節からは次第に弱めながらテンポを落として主部に戻ります。第106小節から主部に戻りますが、伴奏の音型を変化させています。弾きにくいと感じられたら始めのパターンで演奏してください。第133小節からコーダです。テンポを落としながら力強く弾き、第136小節からテンポを戻してラスギャードで盛り上げながら終わってください。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||
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ドナウ河のさざ波 |
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| 小学校の音楽の教科書で知って好きになった曲です。当時まだ存在したSPレコードでも聞いた記憶があります。構成は、序奏に続き複数のワルツが連なり、最後にコーダで終わります。 第1から第42小節が序奏です。第25小節から最も有名な旋律が出てきますが、ワルツではなく4拍子です。第43小節からはワルツになります。第43から第78小節は耳なじみの旋律です。急がずゆったりと弾いてください。第61小節から現れる8分休符を大切にしてください。第79から第101小節は2番目のワルツです。ヘ長調で現れて繰り返しの前でイ短調に戻っています。再度ヘ長調になり第97小節から第114小節はヘ長調で推移します。第115小節からイ短調に復帰します。導入が4小節あって第119小節から跳躍進行の旋律が始まります。冒頭をオクターブのユニゾンにしてみました。第137小節からは速いアルペジオ奏法としました。ハ長調です。第155小節から3番目のワルツです。再度ヘ長調に転調しています。第189小節から4番目のワルツでハ長調です。第206小節から終結部です。イ短調に戻り第217小節までの導入を経て第1ワルツ、第2ワルツ、第3ワルツが部分的に再現されます。第265小節からコーダでハ長調で曲を終えます。ご存じのかたが多い曲ですから、発表会にも訪問演奏にも使っていただけると思います。 | |||||
| 楽譜サンプル | 演奏データ(「Piascore」のサイト) | ||||